ワインバルへ行ったときの話。その柿ピーは食べていいやつ?

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旧友と大阪市内で焼肉を食べた。コースのやつ。

満腹だけどそんなに飲んでいないのでもうちょっと飲み足りない。

終電までまだ少し時間があるので、通りがかりの洒落た雰囲気の

ワインバーに入った。バーといってもけっこう本格的なメニューが揃うので

ワインバルといったほうがいいのか。

 

こういう道具系をオブジェにするのって、

センスひとつ間違えるとがらくた市みたいになってしまう。

そういう意味ではいい感じですさまじくシャレオツだ(出た、シャレオツ)。

勢いよく描かれた「営業中」の手描き看板だけ、あえて感が違う方向に行っていて

違和感があるから他と合わせて洒落たフォントの看板にした方がいいかも。

 

そのまま店名になっているが、ガレージを改装したようだ。

アウトレットワインを安く販売しているそうだ。

まあ、グラスだと500円なのでお得感は無いのだけれど。

厨房のお兄さんは細身長身でロン毛を後ろで束ねている系(どんなジャンルや)。

 

ポテトサラダと白ワイン(メニューではなんか違う洒落た呼び方だったが忘れた)を

注文して、情報交換やら近況やらを。

さっきの焼肉店では顔と顔の間に煙を吸うダクトがドーンとあって

なんだか話しにくかったし(高さを考えてもらえたら嬉しいです)、

だいたい焼肉は肉を焼くのにせわしないので会話に向かない。

 

ふと気がついた。それぞれの席に1個ずつ、ガッチャンと留め金で閉める

密閉瓶に入った柿ピーが置いてある。サイズからして1リットル瓶だろうか。

けっこうな大きさだ。

 

「これって食べてええやつかな」

「ええんちゃう? あっちの席の人も食べてたし」

 

ふと地元のラーメン屋のニラ取り放題を思い出す。

Oラーメン。ホント、うまかったけど。

 

駅前のOラーメンは、白湯スープがめっちゃ美味しくて

行列ができる、地元を代表する名店だった。

サービスでカウンターに刻みニンニク、ニラキムチ、白菜キムチの大鉢が並んで

取り放題になっていて、それがまたとても美味しかった。

半分くらい食べてからたっぷりニラを入れるのが、良しとされていた。

 

評判になり、市外からも食べに来るような繁盛を見せていたころ、

ある時を境に突然、若い20歳そこそこのチンピラみたいな店主に代わってしまって、

(うわさではオーナーの親戚か知り合いの息子か、そんな感じらしかった)

食券制にしたのをいいことにいらっしゃいとか、ありがとうとか、お待たせとか、

そういう最低限のワードをひと言もしゃべらないどころか、客をにらみつける(意味がわからん)。

ラーメン鉢を置くときにわざと無言でダン! って置いて、どうや、なんか文句あるか、みたいな

感じで明らかにケンカを売って挑発して楽しんでいる。

 

一度あまりにも態度が悪い店主に客のおっちゃんがとうとう切れて

「兄ちゃん、その態度は何や」って言ったら店主が待ってましたとばかりに

「何やコラおっさん表出ろ」ってなって、結局そのときはケンカにはならなかったが、

店内がイヤ〜な空気に包まれて、次の瞬間、自分も含め店内にいた客全員が

食べかけのまま一斉に席を立って(食券制なので前払い)帰ってしまったことがあって

 

あれは「ああ…まだ食いかけやけど…アカン。これはアカン。…いいかげんにせーよ!」

という共通の無言の抗議だったんだろうけど、みんな同じ思いやったんや〜とちょっと安心した。

 

わざわざ嫌な思いをしてまで行きたくないので、それからは行かなくなったのだけれど、

それからも通りがかりに店の横でケンカしているのを何回も見た。

…なんなん、もう。騙されて連れてこられて無給で働かされてんの?

前世でラーメンにめっちゃひどいことされたとか?(だとしても八つ当たりはやめてくれ)

つけ麺しか認めないとか?(当時まだつけ麺は見たことが無かった)

いまだに意味がわからない。みんなが好きで長年通っていた店をめちゃくちゃにして

何がしたいわけ? そもそも何でそんなにいつもキレてるの。

 

それでも。味が変わらず美味しかったら…最悪、まだガマンできるのかもしれないけれど

肝心の味は落ちるわで、みるみるうちに客足が途絶えて閉店してしまった哀しい店である。

閉店の張り紙を見たとき、思うところがあった人は多いはずだ。

 

「ポリポリ。ワインと柿ピーっていうのもまあ、アリやなあ」

「ポリ。オレ最近、このくらいの時間になるともう眠たいわ」

「ラーメンでも食って帰る?」

「いやもう無理」

 

…こっちは平和だ。

 

会社帰りらしい、カウンター隣のアベック(カップルともいう)がこの後どうするなんて言っている。

まだちょっと早いんちゃうか。ぜんぜん終電あるし。

 

後日、なんていう名前の店だったか見ておこうと思って食べログを見ていたら、レビュー欄に

「それにしても柿ピー、テーブルチャージで1人350円は高い!」とあった。

 

柿ピー取り放題で350円。2人で700円。有料だったのか、まあそりゃそうか〜。

若いときならタダなら食わにゃ損とばかりにいっぱいポリポリ食べたかもしれないけれど、

もういい大人なので、マナーを守って小鉢に2杯盛ったくらいしか食べていない。

 

テーブルチャージだから、柿ピーを食べても食べなくても取られるので、

小鉢料理の付き出しより原価がかからないから店側はお得だろう。

うーん、バーだとテーブルチャージはそれくらいだし、シャレオツな店だし、

まあそれも商売か。でもな〜何の説明も無かったし、ちょっと引っかかる。

いっそのこと、テーブルチャージは一律350円にして、柿ピーは食べ放題と

言ってくれた方が気分がいいかも(何回テーブルチャージ言うねん)。

 

飲んでるとき、同じ出来事でも先方の言い方ひとつで全然こっちのダメージが

違うよな、という話をしていた。決定事項だったら理由なんて何でもいいのだけれど、

残念だけど仕方がなかった、とか、私は賛成だが、とか、今回は事情があってどうしても、とか、

言い方が上手な人は一緒に仕事をするのも楽しい。気分をのせてくれるように、

上手に言ってほしいよな、って。

 

すべては言い方なのだ。

 

 

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2017-04-07 | Posted in BLOGNo Comments » 

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