日本初! 走れるショッピングセンター『もりのみやキューズモールBASE』に行ってみた
僕が小学生の頃、パ・リーグの在阪球団は阪急、近鉄、南海の3球団であり、
それぞれ西宮球場、日生球場(藤井寺球場)、大阪球場を本拠地としていた。
いずれの球場も1990年代終盤、20世紀の終わりと共に閉鎖になってしまい、
現在は大型商業施設として生まれ変わり、多くの人が足を運ぶ新しい名所となっている。
そんな中、近鉄の事実上の本拠地(正確には本拠地は藤井寺球場だったが
ナイター設備が無いため、日生球場を日本生命より借りていた)であった日生球場跡だけが、
1997年の閉鎖より実に20年近くも、更地のままだった。
大型のコインパーキングや大規模マンションギャラリーなどとして利用され、
大阪城公園や大阪城ホール、大阪城野外音楽堂などに車で行った際は、
安価で1日止め放題だったここのパーキングを利用したものだ。
その長く放置されてきた日生球場跡地に、東急不動産が2015年4月下旬、
新しい大型商業施設をオープンさせた。
森之宮に事務所移転してきてから環状線森ノ宮駅の大規模工事が続いているが、駅周辺では
大型のロイヤルホームセンターが開業して以来の大型商業施設のオープンではないだろうか。
駅前のカフェや居酒屋などでは最近この話題がよく出るが、店主にとっては
駅前再開発によって新しい客層が見込めるのと同時に、
古い町並みが変わっていくことへの不安や苛立ちなどもあるようだ。
オープンから1週間。
暑いくらいの日差しの中、『もりのみやキューズモールBASE』に行ってみた。
家族連れで超満員だ。飲食店などは長い行列ができている。
混雑にオープニングスタッフらしい店員がどう対処していいか分からない
表情で戸惑っている。
『もりのみやキューズモールBASE』のBASEとはもちろん、日生球場のことだそうだ。
モールの真ん中部分に芝が敷かれ、ベースボールグラウンドを表現していて、
ステージがあってさまざまなイベントが開催できるようになっている。
その日はちょうど、元近鉄最後の監督の梨田昌孝氏、元阪神監督で近鉄コーチ真弓明信氏、
元近鉄の村上隆行氏(ちなみに元近鉄の中村紀洋の妻の兄)の3氏が
トークイベントを行っていた。
元近鉄ファンの方ならすぐにピンとくると思うが、2000年に梨田監督が就任した際に
“男前3人衆”として話題になった梨田昌孝監督、小林繁投手コーチ、真弓打撃コーチのトリオがあった。
しかし「江川事件」の当事者でもあった小林繁氏は2010年、57歳の若さで突然この世を去った。
そこでおそらく、現役時代から男前としてファンの間では有名だった村上隆行氏を加えて
ブッキングをしたのであろう。余談だが、現オリックス監督の森脇監督も現役時代
「森脇、森脇、男前!」という応援コールがあったほど男前だ。
話が逸れてしまったが、フットサルやドッグラン、スポーツジムも併設している
「日本初! 走れるショッピングセンター」を謳う
『もりのみやキューズモールBASE』の屋上に上がってみた。
屋上に設置されたランニングトラック「エアトラック」(1周約300m)は、
商業施設としては日本初だそうだ。※ホームページより
本当は歩く人は一番外側のレーンなのだが、小さなこの手を引いた家族連れも多く、
混雑しているため例外のようだ。
ちょうど同じ高さに隣を走る阪神高速の壁があって、その向こうに大阪城公園の森に隠れて
大阪城天守閣が顔を出している。
近年このあたりは皇居ランならぬ城ランといって、大阪城公園を走るランナーたちがかなり多い。
そのための更衣やシャワーのショップなども増えている。もちろん元球場ということと、
それらランナーたちを意識したスポーツ重視のコンセプトになっているのだろう。
屋上は日差しはきついがさわやかな風が吹き、エアトラックというだけあって、
足の踏み心地はかなり気持ちが良い。ただトラックが狭い上に1周約300mはかなり短い。
城ランナーたちがこのエアトラックへ走りに来るかどうかは、、
どうだろう、ちょっと微妙かもしれない。
戦利品はなぜか缶詰ばかり。100円だったもので。