NO JAF, NO LIFE. …JAF無しの生活は考えられない。
NO JAF, NO LIFE.
…JAF無しの生活は考えられない。
21歳か22歳のとき、はじめて車を買った。
中古車ディーラーをしている友達に 大阪南港のオークションに連れて行ってもらい、オークションに参加した。
今となってはもう絶対に、オークションで車を買うなんて、二度としないけれど、
よくわからないまま、デジタルのストップウォッチみたいなものを握らされて、 会場に次々入ってくる車でこれと思うものがあれば、
オークションに参加するのだ。
参加者はだいたい千人くらいだろうか。少し広めのライブハウスくらいの会場で、 まるでマグロの競りのように、一台につき数分の間隔で、どんどん、オークションは進んでいく。 だいたい20万円くらいからスタートして、電光掲示板の数字がどんどん上がっていき、 手元のボタンを押して、競る。
40万…50…70…諦めた人が次々にボタンから指を離し、脱落していく。
気がついたら自分ともう一人だけになっていて、その次の瞬間、90万円を少し過ぎたところでその車を落札していた。
…え? 俺、あのクルマ、買ったん? なんだかよくわからないままにあっという間に手続きが終了し、車をトラックに積み込み、帰路についていた。 車体は友達の会社が購入して、僕は信販会社でローンを組み月々支払っていく。
オークションは確かに相場よりも30万〜50万円ほど安い。だけど、僕は大事なことを知らなかった。 業者がこれはと思った車を競り落として自社に持ち帰るのだけれど、その車は整備をしていないのだ。現状渡し、というヤツだ。
さすがに事故車ではないけれど、ホイールがなかったり、シートが破れていたり、エンジンに重大な欠陥を抱えている車もある。 それらはオークション会場でざっとみただけではわからない。 プロである業者は、自社で装備を直し、あるいはオーバーホールなど整備をし直して、それにかかった金額と、儲けぶんを上乗せして販売する。
僕の買った車は、友達がタイヤだけおまけでつけてくれたけれど、エンジンや足回りはまったくの未整備だった。 その車は当時流行っていた(僕の中で)ローダウン仕様のワゴンで、後でわかったのだけれど前の持ち主が強引にローダウンをするために、 ショックと呼ばれる足回りのバネの下に鉄の塊を噛ませていた。挟んでいるだけなので走行中外れてしまう恐れもあったという。
そのせいでショックはバネの役割をほとんど果たさず、乗り心地は超絶☆硬かった。 こいつが本当にくせ者で、普通のマンホールくらいの段差であっても、 乗っているとダチョウ倶楽部のアレくらい飛び上がる。コックピットごと脱出か! というくらい。
おまけで付けてもらったタイヤは普通の倍以上の太さがあり、たしかに見た目はいいのだけれど、 ハンドルをいっぱいに切ると、タイヤがバンパーに当たってガガガッツと進まなくなるという恐ろしいシロモノだった。 ハンドルをできるだけ切らないように、気をつけていた(どんな車や!)。
ローダウンにもほどがあって、コンビニがガソリンスタンドに入ろうと車道から歩道に乗り上げると、必ずズガガガ、と車底をこする。
ハンドルはちょっとした帽子ほどの大きさで、よくわからないけれどとにかく小さいのがイケてるそうだ。 小さいということはそれだけ遊びが無く敏感だということで、ほんの数ミリハンドルを動かしただけで、タイヤが反応して車体は向きを変えてしまう。 それに加えて先ほどのマンホールなどで飛び上がった車体が地面に着地するときによほど気をつけておかないと、ハンドルを取られて車がどっちへ行くか分からない。
カースタントか! というツッコミが同乗者から続出するくらい、初心者にとっていつ事故ってもおかしくないような車だった。
ショック、太すぎるタイヤ、小さすぎるハンドル、ほどが過ぎるローダウンは当然車検で引っかかって、すべて交換しなければならなかった。 それでひとまず普通に走行できる車に生まれ変わった。
それよりも困ったのがエンジンだった。 あろうことか、交差点を右折している時に止まってしまう。左折では止まらない。なぜだかわからない。
対向車に十分距離があって、交差点を右折している時にエンジンがプスン、と止まってしまい、突っ込んでくる直進車と あわや衝突しそうになったことが何度もあり、生きた心地がしなかった。
冗談でなく、できるだけ右折しないですむように、左折、左折を繰り返して目的地を目指した。 二週間に一度くらいの頻度で修理工場に通っていたと思う。いくら部品を交換しても、根本的な解決にはならなかった。 オークションで購入した差額など、とうに超えていた。世間知らずだった。
充電器の故障で電気が蓄電せず放電してしまい、バッテリーがすぐに上がってしまう。走り続けている間はいいのだが一旦エンジンを切ると、 再びエンジンをかける時にスターターのセルが回らない。モーターのウ〜ウウウ〜という弱々しい声がむなしく響く。
そんなときに本当にお世話になったのが、JAFだった。
炎天下の中、土砂降りの中、エンジンのかからないただの鉄の塊を前に途方に暮れている僕の前に、あのブルーとホワイトのカッコイイ特殊車両に乗って颯爽と現れ、 わずかな時間でトラブルを把握してあっという間に応急処置をして(あるいは部品を交換して)素早く去っていくその姿は、まるでサンダーバードのようだった。
何度助けられたか分からない。
電話で助けを求めるときに応対してくれるお姉さんが「すぐに駆けつけますので安心してください。暖かくて安全なところでお待ちくださいね」と 言ってくれるのだけれど、心細くて、途方に暮れているとき、状況によって涙が出そうになったこともある。
三台目の車の末期は、突然何の前触れも無くプスン、とエンジンが止まってしまう病で、何度もレッカーで修理工場まで牽引してもらった。 止まってしまってJAFにエンジンを掛けてもらい、少し走ってまた止まってしまい、またJAFに来てもらったこともある(ゴメンナサイ)。
今の車は四代目。平成16年生まれの13歳。中古車で買ってもう10年乗っているが、買った時のコンセプトが、 「見てくれじゃない。出かけて故障せず、ちゃんと帰ってこれるクルマ」とにかく程度重視で買った。半年に一度のディーラー点検も欠かさず、 今まで風邪一つ引いたことの無い健康優良児だ。走行中にエンジンストップなんて、とんでもない。
今年の正月、帰省しようとエンジンをかけたら、かからない。バッテリー上がりだ。最近ではほとんど乗る機会が無く、 できるだけ週に一度は乗ったりエンジンを掛けるようにはしているのだけれど、それでも上がってしまう。 JAFを頼んで、バッテリー交換と相成った。松竹梅でいうと竹の7,000円のものにした。
9月、帰省しようとエンジンをかけたら、かからない。バッテリー上がりだ。夏は目も回る忙しさで、まったく車に乗らなかった。 これは仕方がない。JAFを頼んで、バッテリー交換。7,000円のものにした。
そして先日のクリスマス。仕事が一段落したので、ドミノピザをネットで予約して、近所の店舗に取りに行こうと車に乗り込んだ。 エンジンがかからない。バッテリー上がりだ。JAFに出動を頼む。完全に無くなってはいなかったので、交換は免れた。 (ちなみにニュースにもなった、ドミノピザのクリスマスの大混雑を味わった。予約時間から1時間以上待った。文庫本を持っていてよかった。クリスマス終わるっちゅうねん!)
年に3回もバッテリー上がりでJAFのお世話になってしまった。3月に車検でバッテリー交換しているから、バッテリーは3個交換したことになる。
そんなこんなで、僕の車生活にはJAFが欠かせない。JAFが無かったら、ピンチを切り抜けられない。
車の任意保険にもカーアシスタントは付いているが、制約が多く気軽に頼めない。しかしいざというときはこれとJAFを組み合わせることによって な、なんと50kmものレッカーが可能になるのだ(どこまで〜!)。
レッドバロンではだめだ。JAFがいい。
UFJでもUSJでもJISでもJASでもJALでもなく、JAFがいい。
NO JAF, NO LIFE.
先日実家に帰ったとき、父に「そういえばJAFって入ってるか? あれ、やっぱり入ったほうがいいか」と聞かれて、
「う〜ん、自分には絶対必要だし、今までお釣りがくるくらい世話になった」と答えたけど、
よくよく考えたら自分の倍ほどの年数を車に乗っている父がこれまで必要なかったのなら、これからも必要なかったりして、とも、後で思ったりした。
NO JAF, NO LIFE.
…でも、ライフスタイルは人それぞれ。
ちなみに、よく車の後ろの窓に貼ってあるJAFの紺色と白色の丸いステッカー。 かなり最近まで、あれをなぜだか阪神タイガースのファンの証のステッカーだと思っていて、 やっぱり関西は阪神ファンが多いんやなあ〜と思っていた笑。
よく見たらJAFって書いてある。ぱっと見、Hに見えない!?