ロンドンのマドレーヌ、おどるカツオブシ。

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新しくなった図書館で、次回の読み聞かせの本を探す。

 

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神戸のBL出版からこんな大型本が出ていることを知らなかった。

ルドウィッヒ ベーメルマンス『ロンドンのマドレーヌ』。

出版年数が比較的新しいので、新装版だろう。江國香織さん訳。

 

パリの古い寄宿舎に住む、マドレーヌたち12人の女の子のお話。

マドレーヌはその中でいちばん小さいけれど、いちばん勇敢な女の子。

少し前の児童文学には、寄宿舎に住む、っていう設定がよくあった。

欧米では皆に愛されているマドレーヌ・シリーズ。10作以上が刊行されている。

1作目の『げんきなマドレーヌ』はなんと1939年の刊行。

 

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カワイイなと思ったのが、時折こんなふうにイエローとブラックの

2色ページになるところ。

カラーページはカラフルでとってもきれいなだけに、その対比がおもしろい。

古い本だと、大判の4色カラー印刷はコストが高くて、

それを解消するための工夫なのだろうか。

 

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水彩か、カラーインクか。

絵本というよりも、外国の美しいイラストレーション。

1ページごとに目を奪われる。

僕の大好きなミロスラフ・サセックのようだ。

 

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2色ページだと、斜線のマチエールがいかにも児童文学の挿絵っぽい。

他のシリーズも読んでみようと思った。

 

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ドイツの絵本作家、ヤーノシュ『おばけリンゴ』。

本作はロングセラーで日本ではいちばん有名な作品かもしれない。

 

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ヤーノシュはちょっとシュールな作風。最近の絵本はくせが無くて

万人受けするタッチが好まれる傾向があるように思えるので

こういうタッチは愛すべきものだ。

 

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これはランチョンマット…なのかな、20年近く前に買ったもの。

ヤーノシュといえば、やっぱり僕は「ぼくがげんきにしてあげる」の

このトラとクマと、トラくんの大好きなトラアヒル(Tigerente)が

可愛くて一目惚れした。

 

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毎日観ているけど見飽きない。やっぱり可愛いなあ。

 

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今回いちばん面白かったのは、これ。

森絵都 、竹内通雅『おどるカツオブシ』。

バカバカしいのだけど、とにかく良かった。

絵本って、こういう切り口もあるのか、と。

 

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カツオとして生まれたが刺身などのスター街道を歩くことができず、

図らずもカツオブシ人生を歩むこととなってしまったが、

熱々のお好み焼きの上で、踊り歌い出す。

 

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「でんせつの あおのりふぶきだ!」

「カツオブシ みょうりに つきるぞ!」

(なんじゃそりゃ〜笑)

盛り上がりも最高潮、ここがいちばん良かったかな。

 

「さあ さあ おどれ、みなのしゅう。

まちに まった はれぶたい。

パックの なかで ゆめ みた このひ。

いっせい いちどの ゆめぶたい」(本文より)

 

小説家でもある森絵都さんの文章も素晴らしいし、

絵本作家竹内通雅さんの絵もユーモアと愛のあふれる

世界観にマッチしている。

 

今回の読み聞かせは『ロンドンのマドレーヌ』と

この『おどるカツオブシ』を読んだのだけれど、

途中から完全に歌になっていて、え〜い恥ずかしいけれど、

やっちゃえ、と勝手に節を付けて演歌調に歌うように読んだ。

 

…ウケた笑。よかった〜。

 

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2016-05-28 | Posted in BLOGNo Comments » 

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