富士山マガジン定期購読と雑誌休刊に思うこと
仕事柄、雑誌のレイアウトやあしらいが気になるので、
で雑誌を定期購読している。
大阪が誇る、エルマガジン社の
は最近よくあるネットのレビュー情報では無く、
ライターや編集者が自らの舌と足で稼いだ名店が
たくさん載っているので、昔から購読している。
昔駆け出しの頃名古屋の情報誌に売り込みに行ったら、
「大阪にはミーツがあってうらやましい。
情報誌業界ではあの雑誌は別格。
自分もお手本にするため取り寄せて購入している」と
その情報誌の編集さんが仰っていて、
へぇ〜そうなのかと、感嘆したことがあった。
その頃はまだエルマガジンもあったし、
ぴあも、関西1週間もHanakoウェストもあった。
携帯電話はあったがあくまで電話をするための物で
情報をとれる媒体では無く、次の休日どこへ行こうか、は
情報誌を見ながら友人や恋人と決めるのが主流だった。
今や大阪発の雑誌や出版社は数えるくらいしか
無くなってしまった。
毎年ひとつふたつ止めたり、また新しく購読したりしているが、
2015年の定期購読のラインナップはこんなところだ。
・Meets Regional(ミーツリージョナル) http://lmaga.jp/meets/
・MonoMax(モノマックス) http://tkj.jp/max/
・カジカジ!! http://www.cazicazi.net
・COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン) http://courrier.jp/news/?q=index.html
・giorni(ジョルニ) http://www.j-n.co.jp/magazine_list/?mgenre=15
・イラストレーション (Illustration) http://www.genkosha.co.jp/il/
COURRiER Japonのデザインはまるでポップアートのようで秀逸だ。
海外雑誌の再編集というと政治経済物ではアメリカ主体の物が多いが、
クーリエはヨーロッパからの視点だ。ヨーロッパから見た日本の
政治・経済・文化にまつわる記事はとても客観的で、面白い。
イラストレーターのバイブルとも言うべき
学生の頃は皆で1冊購入して、回し読みをしたものだ。
イラストレーション誌が2ヶ月に1度開催する
THE・Choiceという公募はたくさんの著名イラストレーターを
排出していて、イラストレーターの登竜門と言うべき存在だ。
僕も何度も挑戦したけど、ぜんぜんだめだ。
そんなイラストレーション誌は同社のイラストレーションファイルと併せて
かつては代理店やデザイン事務所には必ず置いてあって、
掲載されれば翌日から依頼がどっと押し寄せると聞いていたが、
近年はインターネットを使ってWEB上に作品を掲載している
イラストレーターを探し、依頼するのが主流になっているらしく、
他の雑誌媒体と同じようにイラストレーション誌も
年々厳しいのだというように聞いていた。
そしてとうとう昨年だったか、隔月だった発行が、年4回の季刊になってしまった。
あこがれずっと読んできた者の一人として、とても寂しいものだった。
2015年6月、送られてきた雑誌を開封すると、お知らせ、という紙が同封してあった。
嫌な予感がした。
giorni が今号を持って休刊に、
カジカジ!! が毎月発行から隔月発行になるという。
giorniに関してはデザインがきれいでリサ・ラーソンなど
北欧やパリの町やアパートメントの記事や写真が好きで購読していた
比較的新しい歴史の雑誌だが、
カジカジ!!といえば交通タイムス社のイリオス。
前職では先輩が車の雑誌を担当していた。
ミーツと同じく大阪が誇る雑誌だ。
アメ村や南船場、堀江の発展と共に街角ファッションの
先駆けとして走ってきたファッション雑誌だ。
(今号はたまたま京都特集だけど…)
カジカジ!!が売れたから追従して同じようなコンセプトの
後発誌も出たが、先に廃刊になってしまった。
それ、どう見ても国道か環状道路やろ!っていう道の真ん中で
しかも真夜中にフラッシュたいて撮ったり、
大胆に攻める誌面デザインがかっこよくて、好きだった。
掲載されている服も、いわゆる普通のファッション雑誌とは、
ちょっと違って、一言で言うと個性的だ。
こんなんどうや!? って問いかけてる感じ。
初めて買ったのは20歳の頃だから
もう20年前か。
まあ、、隔月だから、、まだよしとしようか、、。
でも寂しいなあ、、。
雑誌は今や誌面広告でもっているというのは常識だが、
その広告も出稿社が減って厳しい。
雑誌が売れない→広告効果が見込めないという、負のスパイラルだ。
今はどの雑誌も電子書籍に移行しているが、雑誌とほぼ同価格で
消費者には何もメリットが無い。
僕はやはり好きな雑誌は手にとってパラパラめくりたい。
こうやって毎月定期購読するようなファンもいるのだから、
何とか、新しいビジネススタイルを背水の陣でひねり出して、
紙媒体の書籍、雑誌の存続に力を注いでいただきたい。