西日本初! 大阪梅田に蔦屋書店がOPEN。とにかく行ってみた
「蔦屋書店」というと聞き覚えが無い名前かもしれない。
僕もそうだった。
「Tポイント」でおなじみのCCC、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が運営する
いわゆる「ツタヤ」には、「TSUTAYA」と「蔦屋書店」がある。
CCCのホームページの店舗検索で検索すると、
「TSUTAYA ○○店」と、「蔦屋書店 ○○店」が検索結果として表示される。
1983年大阪府枚方市にオープンした第1号店の店名は、「蔦屋書店 枚方駅前店」だったという。
ちなみに僕は1975年枚方市生まれなのだが、
京阪枚方駅前にそのような店舗があったかどうかは記憶に無い。
2000年代に入り、書店が次々に閉店していった。レンタルビデオショップ、CDショップもだ。
本は書店では無くAMAZONで買うことが当たり前になり、映像や音楽はデジタルデータで
楽しむものになった。
インターネットコンテンツやSNSの世界的な普及により、人々はテレビを観たり本を読んだり
音楽を聴いたりしていた時間をそれらに割り当てるようになった。
出版業界、音楽業界、テレビ局の市場は縮小し、広告の規模はインターネットが
ついに新聞を抜き、逆転した。
ちょっと前まで想像もできなかったことが起こっている。
そんな中、2011年にCCCは東京代官山の住宅街に「代官山 蔦屋書店」をオープンさせた。
コンセプトは50歳以上の「プレミアエイジ」に向けた「大人のTSUTAYA」。
代官山T-SITEという美術館のような外観の洒落た建物の中にある蔦屋書店にはカフェをはじめ、
書籍、雑誌、旅行、音楽、映画、ラウンジなどのコーナーに分かれていて、
各コーナーでは専門のコンシェルジュが丁寧に案内してくれる。
「大人のTSUTAYA」または「未来のTSUTAYA」とも言われたコンセプトが当たり、
蔦屋書店は大ヒット。
本離れと言われるがしっかりとニーズをとらえ、価値観を共有した上で発信する
コンセプトに基づいた企画は成功するのだということを証明した。
いいなあ、楽しそう。行ってみたいなあと、思っていた。
…ま、関西にもすぐできるかな。と思っていたがなぜかその兆しは無く、
広大な敷地の「函館 蔦屋書店」や、(北へ行ったか!)
湘南T-SITE内に「湘南 蔦屋書店」(し、湘南ならまあ仕方が無いか、、)
2015年5月には「二子玉川 蔦屋家電」なるものまで…!(家電? もうわからん!)
そしてやっと。JR大阪駅に隣接する「JR大阪三越伊勢丹」が規模を縮小し、
隣のルクア大阪が「ルクア1100(イーレ)」としてリニューアルし、
その目玉のひとつとして「梅田 蔦屋書店」が2015年5月にオープン。
とにかく行ってみた。
まだ準備段階なのか、CCCの蔦屋書店のページでは店舗名が掲載されていない(2015/05/21現在)。
全国の店舗検索では出てくるので制作中なのだろう。JR大阪駅より時空(とき)の広場へ上がり、
ルクア イーレ9Fの「梅田 蔦屋書店」へ。
エスカレーターでは店内中央に出るし、エレベーターのエントランスもある。
大人の空間、重厚な雰囲気だ。
代官山や函館、湘南のように路面店では無い。想像していたがやっぱりそこまでの広さは感じない。
楕円形にデザイン配置された店内は中心にスターバックスとラウンジがあり、
それを取り囲むようにぐるりと本棚が並び、眺めの良いビルの窓際近くはイベントなどもできる
ワークスタイルスペースとなっている。
同時期にオープンした二子玉川の蔦谷家電の雰囲気をちょっと出しておこうと言うことなのか、
Macが並ぶApple、高級スピーカーのBANG & OLUFSENのスペースもあった。
店内は至る所にソファが置かれていて、座って読書をしても良いことになっている。
壁際の本棚は腰の位置がカウンターになっていて、丸いすに座って読書ができるようになっている。
本が好きな人はちょっと読んでみて、それで良かったらちゃんと買っていくのだ。
なぜなら、家でじっくり読みたいから。自分の本棚に直して、また折に触れて読み返したいから。
コンビニの雑誌コーナーの立ち読みとは違うのですよ。
そのやり方はジュンク堂のようだし、遊び心一杯の本の並べ方や選書は
まるでヴィレッジヴァンガードのようだ。一見どんな法則で並んでいるのか
分からないのでとりあえずぐるっと本棚を回ってみていたら、それはそれで楽しい。
益田ミリさんの読んでなかった本や、山口晃さんの画集が思わず発見できて、良かった。
(どちらも字じゃなくて絵、だけど)
いつも書店に立ち寄ったら確認するのだけれど、やはり大人向けのコンセプトだけあって、
保育向けの書籍は見当たらなかった。
近年梅田には大型書店が続々進出していて、隣のグランフロントにも紀伊國屋書店ができたばかりだし、
茶屋町のMARUZEN&ジュンク堂書店の広大な敷地面積にはとてもかなわないので、
こういったコンセプトの書店はいいかもしれない。もはや書店というか、本だけでは無い、
新しいものを探しに来る場所といったところだろうか。
関西、いや西日本は武雄市の図書館を除くとこの「未来のTSUTAYA」コンセプトに
触れること自体が初めてなので、とりあえず様子見なのかもしれない。
できたら大阪の郊外、千里とか堺あたりに車で行けるようなでっかい駐車場付きのでっかい
路面店の蔦屋書店を作って欲しいなあ。
おまけ。時空(とき)の広場からのホームと、さみしそうなイコちゃん。
※カモノハシのイコちゃん/西日本旅客鉄道(JR西日本)が発行するICカード「ICOCA」