知らなかった、絵本の読み聞かせって楽しい!

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ひょんってナニ? っていうくらい、本当にひょんなことから、

 

昨年から近所の小学校で月に一度、朝8時半から15分間、

ボランティアで絵本の読み聞かせをしている。

まさか、自分が小学校に行って読み聞かせをするなんて。

ホント、人の縁って不思議なものだ。

 

1年生から6年生までを毎回ランダムに交替する。

ボランティアスタッフは全部で6人。

 

僕以外は女性で、読み聞かせのベテランさんばかりだ。

 

最初はとりあえずの代打だったのだけど、

やってみてとても面白かったし、何よりも絵本が大好きなのと、

それに子どもたちに絵本を読むということが思ったよりも

とっても楽しくて、正式メンバーに入れてもらった。

若くなくても男性は珍しいので貴重だそうだ笑。

 

初心者の僕は見よう見まねでなんとかやっているけれど、

読み聞かせを勉強するとなかなか奥が深い。

たとえば、演劇のようにあまり抑揚を付けてセリフを話すのは

良くないそうだ。できるだけ淡々と読んで、あとは

あくまでも聞き手が自由にイメージする手助けをするのが理想だそうだ。

 

でも聞き手の子どもたちは登場人物ごとに声色を変えて

抑揚を付けて面白おかしく話した方がグッと引き付けられるらしく、

そのあたりが難しい。長くやっていると、淡々と読むけれど

聞き手を引き付ける味が出てくるのだろう。

時間があるときに、鏡に向かってストップウォッチを膝に練習をしている。

最近ではちょっとは緊張せずにゆっくりと話せるようになったかな。

 

最初、ネットやタブレットやゲームが当たり前の生活な

今の子どもたちは、絵本の読み聞かせなんてアナログなこと、

興味ないんじゃないか?

 

そう思っていたら、ビックリ。みんな目を輝かせて聴いてくれる。

本当に。キラキラと。

 

見えにくかったら机の前に来ていいよって言うと、

サーッと集まって、見上げてワクワクした顔で見上げてくれる。

 

どうせ興味ないだろ、と思っていた自分が恥ずかしい。

 

同じだ、昔も今も。みんな絵本が大好き。

自分で読むのも良いけど、目の前でゆっくりと読んでもらったら、

もっと楽しくて、面白い。

 

それは時代が変わっても変わらないんだなあ。

 

もともとこの学校の絵本の読み聞かせは15年ほど前から行われていて、

当時小学校は全国的に学級崩壊がひどく、この学校でも

授業中に騒いだり教室を出て行ったり、とても荒れていたそうだ。

 

僕らのちょっと先輩世代のビーバップとかスクールウォーズみたいな

不良とか非行とかじゃなく、もちろんまだ小学生なので、

情緒が幼くて未熟なんだろう。

本当に本能的にじっとしていられなかったり、騒いでしまったり

やっていいこと、悪いことの分別や、加減がわからない、

叱られても意味がわからなかったり、というか。

放課後や休日など学校外でも行儀が悪く、物を壊したり、

問題のある子どもが多かったらしい。

 

それで学校や保護者が話し合って、他の地域で朝に本を読む活動を

取り入れた学校が、子どもたちの行動が落ちついて、問題行動が

減ったという話を聞いて、同じように図書室を充実させて本を読む時間と、

月に一度、ボランティアで地域の大人が絵本を読みに訪れる

読み聞かせの時間を行うようになったそうだ。

 

最初はお父さんが会社に行く前に読み聞かせをして、

そのまま飛び出しで走って会社に行くなど、大人たちが一生懸命に

真剣に子どもたちと向き合ううちに、しだいに子どもたちに変化が出てきて、

図書室を訪れて本を読む子どもが増えてきたそうだ。

 

今ではこの学校の生徒さんはみんな元気に挨拶してくれて、

とても礼儀正しくて、本が大好きな子どもがたくさんいる。

図書室が開いている時間はいつも子どもたちでいっぱいだそうだ。

 

絵本の読み聞かせや読書習慣と成績、生活態度との因果関係は

わからないけれど、

 

僕が思うに本を読むことで脳の活性化や整理ができること、

衝動的にぶん投げていた、入ってきた情報を

ワンクッション置いて処理できるようになること、

本を通して客観的に自分自身や置かれている環境を感じられること、

 

そしていちばん大事なのは先生や近所のおじさんおばさんなど

まわりの大人が自分を信じて愛してくれているんだと

いうことを体感して、自分に自信が付いたんじゃないか。

子どもたちの承認欲求が満たされたんじゃないか、自分を認められたんじゃないか。

うまく言えないし根拠は無いけれど、そんな風に考えている。

これからも考えたい。

 

3月は読み聞かせは無く、年度末なので体育館の全校集会で

子どもたちからお礼のお手紙を渡すので来てくださいとのことだった。

再来週に卒業式を控えた体育館は、床にシートを敷き、

飾り付けやスポットライトや長いすなどが準備されてあって、

すでにおごそかで華やかなその雰囲気をあらわしている。

 

壇上に上がり、それぞれの学年代表の生徒からお礼のことばと、

なんと子どもたちひとりひとりから、感謝のメッセージお手紙をもらった。

それなりに量がある、しかっりとした、素敵な文章だ。

イラストが添えてあるものもある。すごい。

嬉しいなあ。

 

1年生はまだ字を書くこと自体慣れていないけれど、

2年生からは急にみんなすごい。ちゃんと、私は何が楽しかった、

こんなことをしてくれたことが嬉しかった、ありがとう、

などしっかりとした文章で綴られていて、1年でこんなに

文章を書けるようになるんだなと驚いた。字もとっても上手だ。

改行や、字間、禁則もよく考えられている。

文字組みの仕事をしているから、そういう部分が気になる。

 

けっこうな割合でクラスに何人か外国籍の子どもがいる。

だけど名前を見るまでそんなことわからないくらい、

日本人の子どもと同じレベルの文章のお手紙だった。

 

そしてほとんどのお手紙には、「本が好きになった」

と書いてあった。とても嬉しい。

素敵だなあ。

本を好きで、またそんな子どもたちが読みたいだけたくさん

本をたくさん読むことができる国は、いい国だ。日本はいい国だ。

 

子どもたちに一言ずつメッセージをと言われていたので

前日までにどんなことを話そうか考えていて、けっこう

長い文章になってしまった。内容も低学年の生徒には

ちょっと難しいかもしれない。

 

これだけの文章を話しても長すぎて子どもたちには

伝わりにくいんじゃ無いかと言うことと、自分が覚えられないのもあって、

前日に短い文章に変更した。それは次の通り。

 


 

みなさんのおかげで次はどんなのにしようかと、

本や絵本をえらんで読むことが増えて、

あらためて本が好きだったなあ、と思い出しました。

毎日ごはんを食べるように、毎日、少しでいいので本や絵本を読んでください。

それはいつのまにかみなさんの一部になって、いつかきっと役に立ちます。

ありがとうございました。

 


 

手紙を見るかぎり、すでにみんなそう思っているみたいだ。

なんとなく心に留めておいてくれたらそれでいい。

 

だけど長い方の文章も、せっかくなのでここに書き置くことにした。

 


 
たとえばそこに本があって、それを手にとって

読むことができるということは、とても素敵なことです。

 

僕は小さいころ絵本をたくさん読んでもらいました。

 

きれいな色で描かれた絵と、いろんなおはなしをゆっくりと、

優しく本を読んでもらっているととても安心できて、

幸せな気持ちになって、そうしたら、本が大好きになりました。

 

テレビや映画と違って、本は自分の好きなスピードで

進んで行きます。あれ? と思ったらちょっと前のページに戻ったり、

なんだかいやだな、と思うページは早く進んだり。

 

絵本を読んでもらった経験があると、今度はひとりで

絵本を読んでいても、こころの中でまるで自分が自分に

読んであげているように読むことができるようになります。

 

そうしたら、絵本を読むのがもっと楽しくなります。

 

そうしたら今度は、絵の無いおはなしだけの本でも、

こころの中に絵が浮かび上がってきて、まるでそのおはなしの

中に自分も一緒にいるような感覚で読むことができるようになります。

 

そうしたら、今度は絵本でも、絵の無いおはなしだけの本でも、

本やおはなしを読むのがもっと楽しくなります。

 

暑い日、寒い日。うれしいこと、かなしいこと。

本の中にはすべてがあります。

 

本を読んで好きだったこと、いやだったことなどを

おとうさんやおかあさん、おともだちとお話したり、

こころに浮かんできたイメージを絵に描いてみたり、

おはなしを考えてみたり。

 

いっぱい走って、よく笑って、たくさんごはんを食べるのと同じように、

楽しんで本を読むようになってください。

 

そうしたら、その夜は、よく眠れます。

 

そうして大人になった本を好きなひとが、また別の子どもに

絵本や本を読んであげて、その子どもが本を好きになっていく。

 

そんなことのくり返しです。

 

みんなで楽しく、本を読めるっていいな、と思います。

 

ありがとうございました。

 


 

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2016-03-18 | Posted in BLOGNo Comments » 

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